Free【八戸三社大祭】SNS効果、新メンバーでにぎわい 龗神社の法霊神楽

八戸三社大祭を控え、龗神社で法霊神楽の練習に励む子どもたち
八戸三社大祭を控え、龗神社で法霊神楽の練習に励む子どもたち

八戸市の龗(おがみ)神社に伝わり、青森県無形民俗文化財に指定されている法霊神楽。八戸三社大祭に参加する伝統芸能団体では担い手確保が課題となる中、同神楽保存会(橋本昭一会長)には今年、多くの子どもたちが加わった。神輿行列にも10人ほどの新メンバーが参加する。祭りの開幕を前に子どもたちは「かっこいい歯打ちを披露したい」と熱心に練習に励んでいる。

 法霊神楽は龗神社の主祭神の法霊大明神に由来する山伏神楽。家内安全や無病息災の願いが込められ、三社大祭では道路が交わる「辻」の厄災をはらい清める。

 昨年11月から月に2回ほど、法霊神楽に興味がある人や挑戦してみたい人が誰でも参加できる公開練習と見学体験会を実施。龗神社はインスタグラムを活用して参加を呼びかけてきた。

 今年は、未就学児から大人まで15人ほどが練習に初参加。三社大祭の行列には、新メンバー10人程度が加わった30人で一斉歯打ちを披露する予定だ。

 同保存会理事で指導する天摩譲さん(59)は「コロナが収まり、昨年の祭りを見てやりたい子が増えた。神社が発信するSNS(交流サイト)の効果も大きかった」と話す。

 21日は、神社で練習を行い、子どもたちが三社大祭での動きを確認。笛や太鼓の音色に合わせて歩きながら、一糸乱れぬ歯打ちを意識して、真剣なまなざしで取り組んでいた。

 昨年の三社大祭で神楽のとりこになった小松優斗さん(8)=階上町立石鉢小3年=は「権現さまが頭を上げたときに髪が揺れるのがかっこいい。本番では上手に見せて、見た人が幸せになってほしい」とにっこり。

 「動きにキレがある」と魅力を挙げる西村翔誠さん(12)=八戸市立城下小6年=は今年5月から練習を始めた。「三社大祭は楽しみだし、県外で披露できる神楽士になりたい」と意気込む。

 天摩さんは「子どもたちは覚えるのが早く、みんな一生懸命やっている。担い手を増やして、次の世代にしっかりとつなげていきたい」と思いを語る。

 
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