Free【みちのく生き物観察記】ルリイトトンボ

産卵のため水中にもぐり始めるルリイトトンボのペア。周りには多数の雄が飛ぶ=2023年7月、南八甲田・赤沼
産卵のため水中にもぐり始めるルリイトトンボのペア。周りには多数の雄が飛ぶ=2023年7月、南八甲田・赤沼

南八甲田山中、蔦七沼の一つ赤沼は別名瑠璃(るり)湖といわれる透明度の高い美しい沼だ。赤倉岳の急斜面を目前に八甲田の森を映すその水面をよく観察すると、こちらも瑠璃色の体色の細いトンボが群れをなして水面ぎりぎりを飛んでいる。ルリイトトンボだ。

 産卵は水中に飛び出た木の根に産み付けるので、瑠璃色の雄と茶褐色の雌がつなぎトンボの状態で水中に5分ほど潜るという珍しい習性を持つ。これには湖水の酸性度が高く水草が育たないという、この沼の特殊事情もあるようだ。青森県では、ここ赤沼と恐山・宇曽利山湖が一番の生息地だが、周辺の蔦沼などにも生息する。

 
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