Free三戸のリンゴとおいらせの酒 互いに“ないもの”共通返礼品に
三戸町とおいらせ町は6月中旬をめどに、ふるさと納税制度の共通返礼品の取り扱いを始める。青森県南地方の自治体が連携し、それぞれの特産品を共通返礼品として提供するのは初めてで、三戸のリンゴと、おいらせの酒造会社「桃川」のリキュールを組み合わせた。互いの地域に“ないもの”を取り扱うことで、地域の魅力発信と知名度向上を狙う。
共通返礼品は三戸の「サンふじ」「王林」と、県産リンゴを使い日本酒をベースにした桃川のリキュール「雪りんご」「りんごに恋したお酒」をセットにした。「青森のリンゴ」をテーマに県産品の魅力をアピールする内容となっている。
現在、三戸では日本酒が造られておらず、おいらせにはリンゴ生産者がほとんどいない。互いの地域で入手することができない品を共通返礼品にすることで、寄付者の選択肢を増やすことができる。さらに、それぞれの特産品を組み合わせ、PRすることで、各自治体の認知度が高まり、地域ブランドの維持、推進への効果が期待される。
取り扱う返礼品は2種類で、リンゴ約5キロと「雪りんご」(500ミリリットル入り)3本のセットが寄付額2万4千円、リンゴ約5キロと「りんごに恋したお酒」(275ミリリットル入り)6本のセットが2万3千円。寄付先の偏りを避けるため、2種類とも、両町25セットずつの数量限定で取り扱う。
両町は6月中に連携協定の調印式を開き、その後、共通返礼品の注文を受け付ける予定。リンゴの収穫時期に合わせ、返礼品の発送は冬を見込んでいる。
2022年度のふるさと納税寄付額は三戸町が3億2479万円で、県内6位、おいらせ町が1936万円で同30位だった。
三戸町まちづくり推進課の中村正課長は「豊作不作に左右されない返礼品がほしかった。互いの町へのふるさと納税に相乗効果が出ることを期待している」と話した。おいらせ町商工観光課の柏崎勝徳課長は「これを機に町の名前を知ってもらい、ふるさと納税の寄付額、関係人口が増えてくれれば」と期待を込めた。