Free円急落、一時160円台34年ぶり円安水準更新
【シンガポール共同】週明け29日の外国為替市場で円が対ドルで売られ、一時1ドル=160円台に急落、1990年4月以来、34年ぶりの円安ドル高水準を更新した。日本が祝日で市場関係者が限られ、取引量が少ない中で円売りドル買いの流れが加速した。
前週末、日銀が金融政策決定会合で現状の緩和政策維持を決定。海外市場でも当面追加利上げがないとの観測が広がった。一方、米国はインフレ圧力が根強く、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始が遅れるとの見方から、日米金利差が意識され、円を売る動きが一気に進んだ。
円は対ユーロでも下落し、一時1ユーロ=171円台と、単一通貨ユーロが導入された1999年以来の最安値水準となった。
円相場は、26日の日銀の現状維持の決定内容の公表や、植田和男総裁が記者会見で、円安は「基調的な物価上昇率に大きな影響は与えていない」と発言したことを受け円売りが進み、前週末から対ドルで4円余り下落した。
歴史的な円安水準となったことで、市場では日本政府・日銀による円買いの為替介入に対する警戒感も出ている。