Free手のひらに“レガシー”を 東京五輪選手村の県産材、積み木に/南部町
東京五輪・パラリンピックの選手村で使われた青森県産材が積み木に生まれ変わり、28日に南部町役場のキッズスペースに設置された。子育て世代の親からは「子どもが一人でも遊べるため安心して手続きができる」と好評で、ぬくもりある“レガシー”が町内の小さい子を持つ家庭に安心感を与えている。
選手村の「ビレッジプラザ」に使用され、解体後に県産材の返却を受けた県は、モニュメントやベンチに加工した物のほか、木材そのままの状態でも譲り受ける市町村を募集し、南部町が応募した。町は木材の活用方法について、町内の移住者組織と協議。「町役場のキッズスペースをもっと充実できないか」というアイデアが出た。
町は、町内の工務店から紹介を受けて八戸市の就労継続支援B型事業所あおばに加工を発注。武骨なアカマツやヒバの木材は、「町の特産果物と五十音を両面に描いたプリント積み木」「動物積み木」「端材を活用した積み木」に変身。丁寧なやすり掛けも施され、赤ちゃんでも安心して遊べるおもちゃになった。
キッズスペースに集まった子どもたちは、プリント積み木を組み合わせて言葉を作ったり、端材の積み木でお城を作ったりと思い思いに楽しんだ。
町内の田中郷介君(6)は「積み木がすべすべ、つるつるして楽しかった」と笑顔。同町で6歳と4歳の子どもを育てる下田友里恵さん(36)は、「子どもだけで5分、10分と飽きずに遊べるのが本当に助かる。雨が降っても安心なので、以前よりも役場に来やすくなった」と話す。
町交流推進課の担当者は「町民誰もが安心して集えるまちづくり拠点として、町役場をさらに活用してほしい」と思いを込めた。