Free海外市場の最新状況学ぶ 青森県産ホタテでセミナー
青森県産ホタテの海外販路拡大につなげようと県は21日、青森市でセミナーを開き、輸出関係事業者ら約30人が最新の海外市場の状況などについて理解を深めた。講師を務めた日本貿易振興機構(ジェトロ)の専門家は新たな販路獲得に向け、「まずは国内での評価を高めることが重要」と指摘した。
県産ホタテの輸出を巡っては、金額ベースで6割以上を占める中国が東京電力福島第1原発の処理水放出に伴う禁輸措置に踏み切り、23年度は全体の金額が落ち込む見込み。県が米国や東南アジア向けプロモーションを展開するなど輸出先の転換に取り組んでいる。
セミナーではジェトロ青森貿易情報センターの金城瑛大さんが、輸出額の推移や各国の規制など最新情報を紹介。ジェトロ輸出プロモーターで、畜産・水産物販売を手掛けるニチレイフレッシュ(東京)で輸出関連事業に携わった兵藤一則さんが講演した。
兵藤さんはタイやインドネシアへの輸出が増えているものの、現状では中国の落ち込み分を補うには至らないことを説明。「国内市場の動きは海外でも注意深く見られている」と国内評価の重要性に触れ、「県産の強みを生かした輸出促進がポイント」と強調した。