Free「ワッツ、なくしたくない」 存続願うブースター、声援熱く
バスケットボール男子B2東地区の青森ワッツは創設12年目に入り、2季連続でB2プレーオフ出場をつかみかけている中、大きな試練を迎えている。経営難に伴う問題が示された運営会社の会見から一夜明けた3日、青森市でのホームゲームには今季2番目に多い1798人が来場。ブースターたちは「ワッツをなくしたくない」「選手には安心してプレーしてほしい」と共に歩んだチームの存続を切望した。
ワッツの運営会社「青森スポーツクリエイション(SC)」(同市)の筆頭株主である企業「ANEW Holdings」(東京)は2月22日付で破産開始が決定。青森SCは2日の会見で、既存株主の問題や資金難の状態が解決しなければ、B2ライセンス取り消しや、今期中にチーム解消や運営会社が倒産する可能性がある―と最悪の事態を説明した。
チーム発足当時から応援する十和田市の会社員若山拓也さん(46)は「今後、どうなるかが心配」と本音を漏らす。だが、選手は懸命に頑張っている―と、試合ではいつも通り声援を送った。「選手には安心してプレーしてほしいから」
のどをからして応援したコールリーダーの川口裕美子さん(50)=青森市=も「絶対にワッツをなくしたくない」と願う。「お金が無くても、よそから声がかかっても、青森が好きという気持ちで残っている選手もいる。その思いに応えたい」。創設時から見守るチームへの感情があふれた。
「新しいグッズがあれば、買って少しでも貢献したい」と話した弘前市の30代女性。今季欲しかったグッズはほぼ全てを持っているが、自力での立て直しには売上高を上げることが不可欠―というニュースを見て、「少しでも力になれれば」と考えたという。
この日は必死の声援が通じ、ワッツは逆転勝ちで4連勝を飾った。存続の危機にあっても、声援を絶やさなかったブースターに対し、選手らは感謝の言葉を送った。
ワッツでBリーグデビューし、通算3季目の池田祐一選手は「上のことは僕らには何もできないけど、会社の人も頑張っている。今季はマンガのようなアップダウンが激しいストーリーだが、最後に笑って話せるような状態にしたい」と力を込めた。
常田耕平選手は「コートに立つ選手やスタッフの働きを見て、応援するしないは判断してもらって構わない。ぜひ、会場に足を運んで大きな声援をお願いしたい」と協力を仰いだ。