Free寒風で増すうまみ 新巻きザケ作り盛ん/八戸
年末年始の贈答品などとして親しまれる新巻きザケ作りが、北奥羽地方で本格化している。八戸市湊町にある山千岩村商店(岩村和夫社長)の工場では30日、八戸港や北海道から仕入れたサケがずらりと、軒下につるされ、寒風に魚体を揺らしながら、じっくりとうまみを凝縮させていた。
使用するのは雄のシロザケ。9月後半ごろから、色や形の良いものを厳選してきた。
下処理としてエラや内臓を取った後に塩漬け。その後塩抜きを施してから、乾燥作業に入る。今季の秋サケは全国的に不漁傾向が顕著だが、今年は前年の約2倍にあたる、150本超を販売予定だ。
老舗ならではの技術が詰まった、伝統的な冬の味覚。リピーターやまとめ買いする顧客も多く、既に注文も相次いでいる。同社の酒井博専務(65)は「ここ数日で気温も一段と下がり、ちょうど良く仕上がってきた。例年同様の味をお届けできる」と納得の表情だ。
順調に作業が進めば、今週末にも同社の店頭に並び始める。