Free消費者ニーズの動向など学ぶ/八戸水産アカデミー
八戸市の水産業再興を目指す「八戸水産アカデミー」の本年度2回目の講演会が28日、市水産会館で開かれた。首都圏で鮮魚小売りを手がける「東信水産」の小菅將光取締役営業本部長兼商事統括部長が「東京の販売から見た産地への希望」をテーマに、消費者ニーズの変化や冷凍食品の展望などについて解説した。
小菅氏は鮮魚類について、食生活の多様化を背景に「お金をかけて買う」嗜好(しこう)品に変化していると指摘。鮮魚を取り扱う小売店が増え、消費者が価格で優劣を付けてしまう傾向にあることなども説明した。
漁業者らに対しては「誰に売るかを想定することが必要。魚の締め方や梱包(こんぽう)の仕方次第で魚価が変わり、百貨店に並ぶ商品になり得る」と助言した。
魚をさばけない人が増えて魚食離れが進む中では、手軽に調理できて流通量も安定した冷凍食品の存在価値が高まっている―との現状も説明。同社が製造する冷凍食品を紹介しながら、アジのすしを参加者に試食として提供し、鮮度保持の技術をアピールした。
シャリとネタを別々で冷凍しているのが特徴で、「好まれるのは解凍するだけで食べられる出来合いのものだが、私たちは子どもに家ですしを握る体験をしてもらい、食育にもつなげたい」と狙いを説いた。
講演会には、水産業界や金融、教育機関などの関係者55人が参加した。