Free北上の企業、サテライトオフィス開設 八戸市の誘致事業活用、第1号

風笑堂にサテライトオフィスを開設したMERCITの照井隼斗代表(左)ら=14日、八戸市内
風笑堂にサテライトオフィスを開設したMERCITの照井隼斗代表(左)ら=14日、八戸市内

システムエンジニア派遣などを手がけるIT企業「MERCIT(メルシット)」(岩手県北上市、照井隼斗代表)は14日、八戸市長苗代1丁目の風笑堂(かぜわらうどう)内にサテライトオフィスを設置した。試行的な業務体験の機会を提供する、市の「おためしサテライトオフィス誘致事業」を活用した企業が事業所を開設するのは初めて。照井代表は「採用拠点としてエンジニアを増やし、首都圏や八戸地域での仕事の開拓もしていきたい」と意気込む。

 同誘致事業は県外に本社を置くIT関連企業を対象に2021年度に開始。参加企業の関係者が市内に短期滞在し、仕事や生活環境を体験できる仕組みで、市が交通費や宿泊費を負担する。これまで13社が事業を利用しており、本年度はあと3社が参加する予定。同社は10月中旬に市内のオフィスや大学を見て回った。

 同社は昨年9月設立。ウェブサイト制作や集客支援も業務とし、岩手県内や関東圏の顧客を中心に仕事を担う。サテライトオフィスは八戸市内で在宅勤務を担うシステムエンジニア2人が非常駐で作業を行う。採用拠点として面接の場にも利用するほか、小学生向けのプログラミング体験会も開催予定だ。

 照井代表は「今後は常駐型で仕事できるようにしたい。八戸を拠点に青森を盛り上げて、地域との交流も大事にする」と意欲を語った。いずれは東北各県への拠点設置を目指す。

 市産業労政課の佐々木誠課長は「市内で事業展開できるように必要なサポートをする。地域のIT産業の集積につながるような活動を続けたい」と期待する。

 誘致認定については今後、事業展開や従業員数、企業の意向などを確認しながら検討を進めていくという。

 
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