Free【みちのく生き物観察記】モモジロコウモリ

意外とかわいい顔のモモジロコウモリ(左)と飛翔する姿=10月、八甲田の大幌内川流域

コウモリは哺乳類で翼を持つ珍しい存在。不気味な印象を持つ人は多いだろう。実は害虫を食べてくれる益獣でもある。なかなかじっくりと見る機会は少ないが、案外かわいい顔をしている。

10月、南八甲田山中に生息するコウモリの調査に同行した。山中を川沿いにさかのぼりトンネル跡を探ると、天井にコウモリの群れが止まっている。

ここに生息するのはモモジロコウモリだ。体長約5センチで、体重は9グラムほどだという。調査した約60匹はほとんど雄で、繁殖期以外の分散期に雄集団が利用する場所のようだ。

コウモリはこうした森林にすむものばかりでなく、街中でも夕暮れの空を見ているとアブラコウモリなどが観察できる。活動は専ら夜なのであまり気付かないが、橋桁下や樹洞、神社などのほか、たまに家屋にもすみ着く。意外と身近な生き物なのかもしれない。

 
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