Free船凍スルメイカ、水揚げ本格化 今季も不漁、高値続く/八戸港

八戸港で水揚げが本格化する船凍スルメイカ。流通量が少なく、魚価は依然として高い=30日、市第3魚市場
八戸港で水揚げが本格化する船凍スルメイカ。流通量が少なく、魚価は依然として高い=30日、市第3魚市場

八戸港で船凍スルメイカの水揚げが本格化している。30日は、日本海側で操業していた中型イカ釣り船3隻が計93トンを上場した。1ケース(8キロ)当たり最高値で1万4900円と、魚価が高騰。スルメイカの不漁傾向は昨季以上―との声もあり、流通量の少なさから、今季も“高級食材”となりそうだ。

 同日は、同港所属の第68源栄丸、第21正進丸、第21八重丸が水揚げした。入札の結果、IQF(バラ凍結)が1万4900~1万1850円。ブロック凍結が1万3120~8700円と高値が付いた。今月上旬に荒天避難のために一時帰港し、今季初水揚げを行った2隻の高値に比べ、IQFは190円、ブロック凍結は820円それぞれ上回った。

 第68源栄丸の船頭を務める佐藤正彦さん(66)は、今季の漁について「(振るわなかった)昨年に増して悪い。量は昨年の7割くらいだ」と肩を落とす。8月に同港を出発し、天候を見ながら63回操業したが、漁獲量は1日平均55ケースほど。船に四つある魚艙のうち、一つしか埋まらなかったという。

 中国や韓国の漁船とも鉢合わせることがあるといい、「温暖化の影響もあると思うが、場所によっては全然イカがいない」と現状を嘆いた。

 11月上旬にも再び日本海へ出漁予定。「燃油が高くて大変だが、なぎが良く、少しでも漁があることを期待したい」と話していた。

 同港では31日、11月1日にも船凍スルメイカの入札が行われる。

 
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