Free本大会佐藤さん(弘前)初V 観客の手紙で奮起 南部俵づみ唄全国大会/三戸

本大会で優勝した佐藤博幸さん(左)と、子ども大会で優勝した齋藤あかりさん
本大会で優勝した佐藤博幸さん(左)と、子ども大会で優勝した齋藤あかりさん

三戸町発祥とされる民謡「南部俵づみ唄」で歌声を競う第31回全国大会(同実行委員会主催)が22日、町民体育館で4年ぶりに開かれた。全国各地から48人が出場し、高校生以上による本大会は弘前市の無職佐藤博幸さん(74)、中学生以下による子ども大会は岩手県陸前高田市立高田小6年の齋藤あかりさん(12)が優勝を飾った。

 同民謡は、門付けの際の語り文句に節が付けられ、民謡になったとされる。南部町出身の民謡家、故舘松榮喜さんが曲を付けてレコーディングしたことで全国に普及した。

 今回は本大会に42人、子ども大会に6人が出場。三味線や太鼓の伴奏に合わせ、迫力ある歌声を会場中に響かせた。

 佐藤さんは5度目の挑戦で初めて優勝。2019年の前回大会で観客から「素晴らしい歌声だった」などと書かれた手紙をもらって奮起したといい、「『あの人に届くように』と思い、語りかけるように歌った」とほほ笑む。

 子ども大会初出場で頂点に立った齋藤さんは「岩手県と青森県では節回しが違うので、一生懸命練習した。成果が出せて良かった」と話した。 

 審査員長を務めた民謡家久保正幸さん(85)は、今年6月に亡くなった舘松さんが南部俵づみ唄をレコーディングした際、伴奏を担当。久々に全国大会が開かれ、「これからも多くの人が南部俵づみ唄に親しみ、節回しの面白さを知ってもらえたら」と願いを込めた。

 
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