Free陸奥湾産ホタテ、シンガポールのレストランに 七十七銀、海外販路開拓を支援
昨年9月に法人向けの支店を青森市に開設した七十七銀行(仙台市、小林英文頭取)が、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴う中国の日本産水産物の禁輸を受け、青森県内企業の海外販路の開拓支援に力を入れている。禁輸措置に特化したコンサルティングを今秋から開始。11日は支援1例目となる青森市の企業が、シンガポールへのホタテガイの輸出を開始した。
東北最大手の地方銀行である同行は、国内外のネットワークが強み。海外では中国、ベトナム、シンガポール、タイ、英国の5カ国に駐在員を派遣している。
陸奥湾産ホタテなどの加工販売を手がける青森市の小田桐商事(岩谷孝代表)は、取引のある中国、台湾、香港、米国以外の海外進出を探っていたところ、禁輸措置の影響を受けた。
今年9月から禁輸措置に特化した支援を始めた同行は、同社の現状を踏まえて市場調査を実施。八戸市出身の佐々木洋平さん(40)がオーナーシェフを務めるシンガポールのイタリアンレストラン「ラ ドロ」との新たな取引を仲介した。
11日はレストランで提供されるホタテ料理の試食会を現地で実施。岩谷代表がオンラインを通じ、青森支店で様子を見守った。
佐々木さんは陸奥湾産ホタテの輸入を決めた理由について、「東北の食材を世界に広め、地元に貢献したいという思いが常にあった」と強調。現地を視察した小林頭取は「東北には海外で勝負できる商材が無数にある。今後も海外への販路拡大に寄与したい」と話した。