Free【北奥羽の地名】小袖(こそで、久慈市)/南部光行の郷士が移住
久慈湾南東部の半島にある久慈市宇部町の小袖地区。「北限の海女」の里として知られ、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地として脚光を浴びた。
地名の由来について、大向直三著「小袖部落の近代史(発達史)」では、南部氏の始祖である南部光行が800年以上前に陸奥国糠部郡を与えられた時に、山梨県甲府市付近の「小袖」という小さな村落に住んでいた郷士たちが光行の徳を慕って従い、最初は現在の南部町に移住したが、その後、製塩などを目的として今の小袖に一部が移り住み、村落の名を小袖と称したと伝えられる―とする。
海に突き出た海食崖である「刮出(こそで)」が転じたとする説、海に飛び出た岬を表すなど地形に由来した説もある。地区は沿岸部と高台部とに分かれており、2011年3月の東日本大震災では沿岸部の漁港や水産関係施設が甚大な被害を受けた。