Free市長への提言、議論大詰め/八戸・魅力創生会議

アイデアを出し合う委員=8月8日、八戸市番町のエスタシオン
アイデアを出し合う委員=8月8日、八戸市番町のエスタシオン

若者や女性が魅力を感じるまちづくりを目指し、八戸市が立ち上げた「市まちの魅力創生ネットワーク会議」(玉樹真一郎会長)で、熊谷雄一市長への政策提言に向けた議論が大詰めを迎えている。本年度は、子どもたちの考える力が伸びる重要な時期であるとして、小学5年から高校3年までの8年間にフォーカス。会議では職業体験や外国人との交流などの重要性が議論されており、子どもたちが社会と関わる機会の創出がカギとなりそうだ。

 会議は熊谷市長の政策公約事業で、昨年度設立し、高等教育機関や経済団体関係者、働く女性ら10人で構成する。昨年度の提言は▽親への経済・子育て支援と子どもに対する体験支援▽子育て情報の一元化などデジタルの利活用▽中心街や街並みの再デザイン▽地域全体で子育てを大切にする意識の醸成―の四つを柱に据えた。

 本年度は8月8日までに5回の会合を開き、ターゲットの学年の児童生徒とその保護者に対するアンケート調査も実施。「市に愛着や親しみを感じている」と答えた子どもは7割を超えたが、学年が上がるほど割合が低くなり、保護者は子どもより愛着を感じている割合が低かった。

 これに対し委員は、「八戸で明るく豊かな生活を送るイメージを地域ぐるみで伝える必要がある」「子から親へ魅力が伝わるように促すのも一つの方法」などと議論を交わした。

 進路を考えるタイミングが遅いことに注目する声も上がった。希望する職業は、小学5年から高校3年の全学年で「まだ考えていない」が最多。「子どもたちが将来を思い描くのに十分な情報や体験を提供したい」「親子で参加する職場体験が必要」などの意見が出され、子ども向け職業体験型テーマパークに例え、「八戸の街をキッザニア化しては」とのアイデアも出た。

 このほか、「伝統文化や専門的な仕事など、興味ある分野の達人に弟子入り体験させては」「選択授業で外国人との交流を取り入れたい」「学習支援を含めた中高生の拠点をつくる」など、多様な意見が交わされた。

 4日に予定される次回会合と提言に向けた意見のとりまとめについて、玉樹会長は「親子で話すきっかけをつくることが、地元への愛着にも進路選択にもつながる。昨年度の提言を発展させ、効果的なタイミングも提示しながら施策を提案したい」と意欲を語った。

 
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