Free【北奥羽の地名】駒袋(こまぶくろ、五戸町)/放牧した馬 捕らえた場所

北奥羽の地名
北奥羽の地名

昔から有数の馬産地として知られた五戸町。倉石石沢地区にある「駒袋」という地名は、かつて南部九牧の一つに数えられた「又重野牧」で、放牧する馬を捕らえた場所だったことが由来とされる。

 南部九牧は、南部藩が開設した9カ所の牧場。全国に名だたる南部馬を産出してきた。地域住民らによると、駒袋では昭和前半期にも馬が放牧されていた記憶があるという。

 旧南部藩の各地には、放牧した野馬を捕らえる様子を芸能化したという伝統舞踊「南部駒踊り」が伝わる。300年以上の歴史を誇る倉石石沢地区の南部駒踊りもその一つで、青森県無形民俗文化財に指定されている。

 花がさや陣羽織、馬の形の木枠を付けた騎乗姿の踊り手が、太鼓や笛、手て平びら鉦がねなどの囃はや子しに合わせて勇壮に躍動。五戸地方最大の秋祭り「五戸まつり」でも披露される。

 伝承に取り組む「南部駒踊石沢保存会」の赤坂兼松会長は「駒踊りを披露して皆さんに喜んでもらえるのが励み。会員は少なくなっているが、これからも伝統をつないでいきたい」と話す。

 
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