Free大間原発オフサイトセンター、候補地見直し 宮下知事、津波浸水想定で
むつ市の旧大畑高跡地に建設を予定していた電源開発大間原発(大間町)の原子力災害に対応するオフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)について、青森県の宮下宗一郎知事は29日、建設地を見直す考えを明らかにした。津波で周辺道路の浸水が想定されるためで、候補地を再検討する。
同日、都内で開かれた核燃料サイクル協議会後の会見で明らかにした。県は2018年、旧大畑高跡地を候補地として決定。ただ、その後に示された日本海溝・千島海溝沿いの地震による津波浸水想定で、周辺の国道279号などが浸水し、関係者がセンターにたどり着けない可能性が浮上した。
宮下知事は「(旧大畑高跡地に決めた)当初とは環境が変わった。場所や規模はゼロベースで考える」と説明。同日の協議会で国が原子力災害の対応について実効性向上を図る方針を示したことを受け、見直し議論に着手するという。
候補地選定を巡っては当初、大間町が誘致を目指したが断念。風間浦、佐井の両村もそれぞれ誘致に動いた経緯がある。
宮下知事は新たな候補地は白紙とした上で「合理性に基づいて適地を考えたい」と強調。原発からの距離やアクセスなど立地条件を踏まえて判断するとみられる。
むつ市が市内への立地を求めている使用済み核燃料中間貯蔵施設(同市)のオフサイトセンターについても、候補地を改めて検討する方針。