Free【北奥羽の地名】馬洗場(うまあらいば、十和田市)/参詣馬を手入れした地

北奥羽の地名
北奥羽の地名

十和田市のほぼ北側に位置し、上町と下町の小字で構成される。同市の大字の中で小字が最も少ない地域で、辺りは田んぼや畑など広大な景色が望める。

 郷土史を研究している同市の布施由郎さんによると、洞内氏が洞内城で活躍していた頃、馬を洗っていたことが地名の由来だという。洞内氏が繁栄していた時期や洞内城が築かれた年代など不明な点は多いが、神社に馬を連れてお参りする前に馬をきれいにし「良い馬が育つように」「高値で買い取られるように」など願いを込め、手入れする場所であった―との説が有力とされている。

 同地区には、大明神神社と呼ばれる神社がある。近くにため池があり、馬を洗うための水として使われていたのかもしれないという。地元の人によると、5月3日は明神様の誕生日で、神社前で集落の人が集まり、お祝いを行っている。

 国道4号が通る馬洗場。普段、何げなく通る道だが、たまには寄り道し、のどかな風景に“駒の里十和田市”を重ねてみるのも面白いかもしれない。

 
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