2022年4月、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた。18歳は大人か子どもか-。1部では未来に向かって歩む10代の姿に迫る。
※年齢、所属などは掲載当時のものです。
- ①ご当地アイドル 「自信や輝き与えたい」
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桜前線が八戸市に春を運んだ4月中旬、全開の笑顔が柔らかな陽光に溶け、きらきらと輝いた。同市の館鼻岸壁朝市公認のご当地グループ「pacchi(パッチ)」は日本一朝早く会えるアイドルだ。
リーダーの虹乃愛んなさん(18)は今春、津軽地方の高校を卒業し、活動に専念するため八戸で新生活を始めた。同世代がグループを去る中、迷いはなかった。夢の階段を上る18歳は朝市会場で思いを歌声に乗せた。「素直な自分になろうよ。ほら笑ってごらん、すてきだよ」【…続きを読む】
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- ②再就職 「俺が稼いで家にお金を」
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仕事がうまくいかず、自宅の玄関から出られなくなった。ゲームや漫画に没頭する時間だけが、現実を忘れさせてくれた。
八戸市の男性(18)は昨年7月、勤めたばかりの青森県内の建築会社を辞めた。「津波に負けない家を造る」。夢への第一歩を踏み出した3カ月前の興奮は冷め、心が空っぽだった。
小学1年で東日本大震災を経験した。津波に流される家屋をテレビで見て、思い出も失われる気がした。何とかしたかった。【…続きを読む】
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- ③家業の3代目 「この仕事は続けたい」
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高校卒業を機に染めた初々しい金髪が、無造作に伸び始めていた。田子町の山沢歩さん(18)は今春から、実家の山沢左官工業所で働く。
親子3代で歩む同じ道。いつも身近にあった家業も、飛び込んでみると別世界だった。専門用語に困惑し、意思疎通にも四苦八苦する毎日。今は数年先を想像できない。
それでも決めている。「この仕事は続けたい」。3代目は父がそうしたように、師匠でもある親の大きな背中を追う。【…続きを読む】
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- ④“アスリート先生”目指す大学生 「環境変化、成長の糧に」
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八戸学院大の新田凜さん(18)は人間健康学科に通う1年生。勉学に励みながら、陸上に打ち込む。種目は走り高跳び。「努力が数字に表れるのが楽しい」と語る。
大間町生まれ。中学で陸上を始めた。当初は六つ年上の姉と同じように走り幅跳びをしていたが、ある日、部活動の顧問に転向を勧められる。
軽やかな跳躍、しなやかな柔軟性が求められる競技。「当時、地元では背が高い方だった」と謙遜するが、日を追うごとに自分が驚くほど記録が伸びた。【…続きを読む】
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