Free百石えんぶり開幕、3年ぶり 勇壮な摺り披露、春呼ぶ
約200年の歴史を誇るおいらせ町の伝統芸能「百石えんぶり」が15日、始まった。一昨年、昨年はコロナ禍で中止となり、3年ぶりの開催。会場となった同町上明堂の八幡宮で、太夫が勇壮な摺(す)り、子どもたちはかわいらしい祝福舞を奉納し、地域に春を呼び込んだ。
百石えんぶりは五戸通りどうさいえんぶりの流れをくみ、太夫が烏帽子(えぼし)を手で押さえず激しく振るのが特徴。今年は百石えんぶり組の約40人が参加した。
寒いながらも日差しが届いたこの日、八幡宮の境内には、待ちわびた多くの町民が集まった。
太夫は、口上に合わせて烏帽子を地面すれすれまで大きく振り、力強い摺りを披露。子どもたちは、百石えんぶり特有の「竹の子舞」などを元気いっぱいに踊った。
見物した同町上明堂の松本イチさん(82)は「明るい一年になりそう」と満足げ。百石郷土芸能保存会の小向政治会長は「メンバーがそろわず、稽古期間も短かったが何とかできた。町民の喜ぶ顔が見られて良かった」と話した。
門付けは法運寺と町役場分庁舎で行った。
感染対策で日程を短縮しており、町内での演目はこの日で終了。同えんぶり組は17日、八戸えんぶりの一斉摺りに参加する。