Free力強い摺り、春呼び込む 南部地方えんぶり開幕

勇壮な摺りを見せる太夫=11日午前10時すぎ、南部町剣吉
勇壮な摺りを見せる太夫=11日午前10時すぎ、南部町剣吉

南部地方えんぶりが11日、南部町で開幕した。初日は同町剣吉地区で一斉摺(ず)りが行われ、太夫たちが烏帽子(えぼし)を力強く揺らし、雪深い古里に春を呼び込んだ。12日まで。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021、22年は中止となっており、3年ぶりの開催。初日は町内6組と八戸市の大久保えんぶり組が参加した。

 剣吉諏訪神社に摺りを奉納し、7組は剣吉上町から南部芸能伝承館までを練り歩いた。感染予防のため、伝承館前での一斉摺りは取りやめ、各組が定められた場所で、のろしとともに摺りを披露した。

 太夫たちは、ジャンギで大地を打ちながら勇ましく烏帽子を揺らし、子どもたたちは大黒舞やえびす舞で会場を盛り上げた。

 名川中えんぶり組で太夫を務めた2年の藤村泰地さん(14)は「昨年披露できなかった悔しい思いを胸に、力を発揮できた。伝統を後輩につないでいきたい」と決意表明。ウクライナから同町に避難している同校2年のキリロさん(14)は組旗を任され「とても楽しい。旗は重いけど頑張れた」と笑顔を見せた。

 12日は午後1時からふくちジャックドセンターで片岸えんぶり組が摺りを披露する。 

 
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