Free稚貝確保へ財政支援を 県漁連など県に要望/陸奥湾ホタテ

陸奥湾ホタテの稚貝確保に対する支援を求める(左から)松下誠四郎代表理事会長と立石政男会長=9日、青森県庁
陸奥湾ホタテの稚貝確保に対する支援を求める(左から)松下誠四郎代表理事会長と立石政男会長=9日、青森県庁

陸奥湾ホタテの稚貝が激減している問題で、青森県漁連(松下誠四郎代表理事会長)とむつ湾漁業振興会(立石政男会長)は9日、稚貝確保のための財政的支援を県に要望した。立石会長は、高水温で大量へい死が発生した2011年に匹敵する危機的状況とし、「県などの支援で前回は乗り切れた。今回も何とかお願いしたい」と訴えた。

 県漁連によると、気候変動の影響と親貝不足によるラーバ(稚貝となるホタテの幼生)の発生減により、前年の65%の稚貝確保にとどまる。そのため、親貝の大半が残る陸奥湾東湾に対し、例年卵付きホタテとして出荷している親貝について、産卵後の出荷を要請し、稚貝確保を図る考えだ。

 ただ、陸奥湾東湾ではへい死により親貝が例年の半数の2千トンに減少。県漁連などは、産卵後の出荷に協力する漁業者へ1キロ当たり10円を支援する分の2千万円を確保したが、支援としては不十分だという。

 この日、県庁で要望を受けた青山祐治副知事は「今年の春のラーバの状況などを踏まえ、漁業者の努力だけでは対応できない海洋環境の変化などがあった場合は対策を検討したい」と述べた。

 立石会長は「陸奥湾東湾の親貝はさらなるへい死で2千トンより減っている可能性もある」と指摘。産卵後の出荷まで残すことは新たなへい死を招くリスクが高く、「それなりの支援が不可欠だ」と強調した。

 
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