Free名農高が環境大臣賞 塩害、赤土流出抑制研究で高評価

全国、東北大会で優秀な成績を収めた名久井農業高環境システム科の生徒
全国、東北大会で優秀な成績を収めた名久井農業高環境システム科の生徒

青森県立名久井農業高環境システム科の研究グループが、今月行われた第11回イオンエコワングランプリ(イオンワンパーセントクラブ主催)の研究・専門部門で、環境大臣賞を受賞した。そのほか、農業分野の二つの東北大会で、環境研究班と草花班の計12人が、優秀な成績を収めた。

 同校は、同グランプリで過去3回の受賞歴があり、第3回大会では最高賞の内閣総理大臣賞に輝いている。今回は、開発途上国に広がる乾燥地の塩害抑制研究と、沖縄で問題となっている赤土の流出抑制に関する活動が高く評価された。

 塩害抑制研究に取り組み、8月に国際コンテストでも発表した中居泉穂さん(18)は「審査員が厳しくて緊張したが、これまでの研究や発表の内容が評価されてうれしい」と振り返った。

 赤土の流出を抑える三和土(たたき)作りを、沖縄に出向いて実証した大坊拓也さん(18)は「最初はうまくいかなかったが、メンバーと協力し、試行錯誤して効果を確かめた。実際に現地に出向いて紹介できたことが大きかった」と胸を張った。

 第8回全国ユース環境活動発表大会東北地方大会(環境省など主催)と、第22回環境甲子園(環境会議所東北主催)では、草花班の優秀賞を筆頭に、4グループが各賞を受賞した。

 両大会で優秀賞を受賞した草花班は、2040年に大量廃棄が見込まれる太陽光パネルをリサイクルし、多孔質ガラス「スーパーソル」を使った各種実験に取り組んだ。腎臓病患者などに需要が高い低カリウム野菜の栽培や、透水性や通気性に優れたポーラスコンクリートへの加工など、生活のさまざまな場面で有効活用できることを実証した。

 草花班リーダーの松橋海渡さん(18)は「コロナ禍で当初予定していた実験ができなくなり、急きょ内容を変更した。時間的余裕がなくて不安もあったが、良い結果が得られた。実験を機に、身の回りの廃棄物への考え方も変わった」と今後の研究発展へ期待を寄せた。

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