Free【月刊Dash】国際大会2位の新鋭/クライミング上柿銀大(軽米高)

上柿銀大
上柿銀大

高さ15メートル、前傾5度のそそり立つ壁を、設置されたホールド(突起物)を使って駆け上がり、そのタイムを競うスポーツクライミング種目の一つ「スピード」。今夏、初出場だった国際大会で準優勝を果たしたのが、上柿銀大(15)=岩手県立軽米高1年=。当面の目標は「5・7秒台」で、将来は五輪出場を夢見る気鋭のアスリートだ。

 家族の影響で小学、中学時代と9年間、バスケットボールに打ち込んだ。高い運動能力を買われ、小学5年から中学3年までの5年間は、世界で活躍するアスリートの育成を目指す県の事業「いわてスーパーキッズ」10期生としても活動。多彩な競技への適性を探る中で出合ったのが、瞬発力や空間認識能力、体幹の強さなどが問われるスポーツクライミングだった。

 2019年11月のトライアウトを経て本格的に競技の道へ。「バスケと違う個人競技だが、自分の成長をタイムで感じられる点が楽しかった」。週2~3回、盛岡市の県営運動公園にある競技施設に通って県協会コーチ陣の指導を受ける。それ以外の日も同市や八戸市のボルダリング施設を利用したり、自宅でミニハードルを跳んだり筋力トレーニングをしたりと、日々鍛錬を惜しまない。

 今春はスピードユース日本選手権(京都・亀岡市)ユースB(07、08年生まれ)男子スピードで2位。自身初の国際大会だった今夏のユース世界選手権(米国ダラス)でも同種目準優勝を果たすなど、“世界への壁”を勢いよく登っている。

 来季からは同年代だけでなくシニアクラスへのエントリーも可能になる。「今の自己ベストは6・1秒だが、早く5・8秒を切って五輪強化選手になれるよう頑張る」。来年3月にはユース日本選手権(亀岡市)が控える。「日本で優勝し、8月のユース世界選手権(韓国)でも優勝したい」。名前の「銀」を上回る色のメダルを追求していく。

 【略歴】上柿銀大(うえがき・ぎんた) 2007年1月生まれ。軽米町出身。町立軽米小―同軽米中―岩手県立軽米高1年。今夏の世界ユース選手権ユースB男子スピード2位。身長171センチ、体重62キロ。岩手県山岳・スポーツクライミング協会。高校ではバスケットボール部に在籍する。

 
お気に入り登録