Free八戸中心街、再興の妙案は パネル討論や講演 本社主催トーキングカフェ
デーリー東北新聞社は18日、八戸市の市文化教養センター南部会館で、市中心街の再生と今後の在り方を考えるイベント「トーキングカフェ 瀬戸際の中心街~『まち』のこれからを考える~」を開いた。識者や中心街の経営者らによる講演やパネルディスカッションを通じ、市民約80人が、まちの現状や課題に理解を深めたほか、再興へのヒントを探った。
中心街では、十三日町の老舗百貨店「三春屋」が今春、閉店し、周辺の人通りが激減した。その後も市内唯一の映画館の閉館が決定、テナントビルの破産など暗い話題が相次いでいる。
イベントの前半は、国立社会保障・人口問題研究所国際関係部長の是川夕氏(同市出身)が講演した。
八戸は全国と同様、デパートや交通の要衝を中心に街づくりが進められてきた―とし、「郊外にショッピングセンターができるまでは非常に混雑していた」と解説。一方で、「街としての個性がなく、生活上のストレスになることも多かった」と指摘した。
今後の中心街の在り方に関しては「大都市にない新たなライフスタイルや価値観をどう生み出していくかが重要」と訴え、「脈々と続いてきた歴史や文化は、時代の環境に適応して残ってきた。先人の知恵の蓄積であり、中心街が変化にどう対応していくかのヒントになる」と強調した。
後半のパネルディスカッションは、是川氏のほか、石橋司(廿三日町商店街振興組合理事長)、小清水貴子(貿易会社ロコラボ代表)、林源太(はやし青果店主)の3氏が登壇。デーリー東北の吉田晃編集局長が進行役を務めた。
パネリストからは「中心街の地価はこの30年で10分の1になったが、夜の飲食店はにぎわっている。その部分の分析も必要」との意見や「当たり前にあった店が姿を消し、中心街は新陳代謝や転換期に入っている」などの指摘が挙がった。
中心街の将来像については「福祉やスポーツなど、中心街にない機能を集積させることで、商業機能も高まるのでは」などの提案があった。