Free7月参院選は「違憲」 1票の格差、仙台高裁判決
「1票の格差」が最大3・03倍だった7月の参院選は、投票価値の平等に反し違憲として、秋田を除く東北5県の有権者が各選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、仙台高裁(小林久起裁判長)は1日、違憲と判断した。無効請求は棄却した。国会の格差是正の取り組みに厳しい判断を示した。
参院選の違憲判決は、格差解消のため隣接県を一つの選挙区にする「合区」を導入した2016年選挙以降では初めて。7月参院選を巡り全国14の高裁・高裁支部に起こされた16件の訴訟で、違憲判決はこれまで出ていなかった。
被告の選挙管理委員会側は上告するとみられる。高裁判決は11月中に出そろい、最高裁が統一判断を示す見通し。参院選で、最高裁が違憲判断を示したことや無効としたことはない。
10月31日までの7件の判決は「違憲状態」4件(札幌、東京、大阪、広島)、「合憲」3件(名古屋、松江、高松)と判断が分かれていた。
7月10日投開票の参院選では、議員1人当たりの有権者数が最少の福井選挙区と最多の神奈川選挙区や2番目の宮城選挙区との間で3・03倍の格差が生じ、19年選挙の3・00倍よりやや拡大した。
参院選では、最高裁が最大格差5・00倍の10年選挙と4・77倍の13年選挙を違憲状態と判断。合区が導入され格差が縮小した16年選挙、19年選挙を合憲とした。