Free「愛した 書いた 祈った」刻む 瀬戸内寂聴さん遺族、二戸・天台寺に納骨

天台寺霊園に眠る瀬戸内寂聴さんの墓石=28日、二戸市浄法寺町
天台寺霊園に眠る瀬戸内寂聴さんの墓石=28日、二戸市浄法寺町

二戸市浄法寺町の天台寺の名誉住職で、昨年11月に99歳で死去した瀬戸内寂聴さんの遺族が今月、境内にある霊園の墓に納骨を済ませていたことが28日、分かった。墓石には寂聴さん自身が生前に希望していた「愛した 書いた 祈った」の文字が刻まれている。

 寂聴さんは生前、天台寺と自ら開いた京都の寂庵、出身地の徳島市の3カ所で分骨を切望していた。

 天台寺によると、墓は今夏に建立。今月15日に納骨され、「最後のお別れは静かに済ませたい」との遺族の意向により、少数の身内だけで執り行われた。菅野宏紹住職宛てに後日、無事納骨を終えたことや感謝の思いを記した手紙が届いたという。

 寂聴さんは1987年から18年間にわたり住職を務め、在職中に「天台寺霊園」を整備。同じ大きさで並ぶ墓石には、生前に決めた言葉を刻むことが可能で、寂聴さんを慕う全国各地のファンが多く購入している。

 天台寺責任役員の千葉康行さん(78)は「偉ぶって大きい墓を建てるのではなく、周りと同じ石で、平等で良いという考えだった。霊園で一緒に眠ることを望んでいたファンも喜んでいるだろう」と語った。

 菅野住職は「生前からこの寺で最後は眠りたいと希望し、墓の場所も確保されていた。その通り納骨になり、安心した」と述べた。

 
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