停滞する前線の影響で、青森県内は１０日も津軽地方を中心に断続的に激しい雨が降った。県災害対策本部がまとめた前日からの被害状況（同日午後３時現在）によると、鯵ケ沢町で建物４４５棟の床上・床下浸水が判明。また、中村川に架かる五能線の線路が被害を受けた。ＪＲ東日本秋田支社によると、復旧のめどは立っていない。

　建物被害はほかに、深浦町など１０市町で一部損壊や床上・床下浸水が少なくとも７０棟確認された。

　鯵ケ沢町や弘前市など１１市町村では避難指示が継続。同市では断水が発生（戸数は調査中）し、給水車による給水や給水袋配布が行われている。

　農林水産部関係では、同町で水田ののり面崩壊と農道崩落が各１件判明した。

　ＪＲ東日本青森支店によると、１０日は五能線など上下１４３本が運休し、１万９４１人に影響が出た。奥羽本線の新青森―青森間は運転を再開した。

　県土整備部によると、深浦町北金ケ沢の国道１０１号など計３４区間で通行止めが続いている。

　東北電力ネットワーク青森支社によると、むつ市などで発生した停電は解消し、１０日午後５時現在、深浦町の３５戸を除いて復旧した。

　青森地方気象台によると、前線は一週間程度、停滞する見込み。１２日にかけて雷を伴った大雨に注意を呼びかけている。