Free「実質」4年ぶりプラス成長 19年度の青森県民経済計算
青森県は6日、2019年度の県民経済計算を公表した。国内総生産(GDP)の都道府県版に当たる県内総生産は、市場で取引された価格「名目」が4兆5332億円(前年度比1・1%増)、物価変動などを考慮した「実質」が4兆4476億円(0・8%増)。経済成長率は名目が3年ぶり、実質が4年ぶりにプラス成長となった。年度後半は消費税増税や新型コロナウイルス感染拡大で消費の動向に弱さがみられたが、年度を通しては緩やかな回復が続いた。
賃金などの「雇用者報酬」や資産の賃借による「財産取得」、企業の利潤「企業所得」などを合計した県民所得は3兆2918億円(0・2%増)。財産所得や企業所得は増加したものの、卸売・小売業や建設業などで賃金が減ったため、雇用者報酬が7年ぶりに減少に転じた。コロナ禍の影響が表れ始めたと推測される。
県民1人当たりの所得は262万8千円(1・4%増)で、国の水準を100とした場合の県の水準は82・6となり、前年度から1・2ポイント上昇した。
県内総生産(名目)を産業別に見ると、1次産業は2031億円(1・7%減)。ニンニクやナガイモ、ゴボウの単価下落や、サバ類の漁獲量が減少するなど農業や水産業の低迷が影響した。
2次産業は9886億円(8・0%増)。輸送用機械の増加に加え、非鉄金属を含む「1次金属」の付加価値が高まったことなどを受け、製造業が増加。さらに公共土木工事の需要が多かったことから建設業も増加した。
サービス業を中心とした3次産業は3兆3760億円(0・7%減)。保健衛生や社会事業、電気・ガス・水道・廃棄物処理業が増加した一方で、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業が減少した。
県統計分析課は「19年度は緩やかな回復となったが、20年度以降は新型コロナ感染拡大の影響が反映される可能性もある」とみている。
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