Free【月刊Dash】インターハイ期待の星 レスリング小川大輝(工大一)
昨年は全国高校選抜大会、インターハイ共に個人51キロ級に出場し、それぞれ準優勝、3位の好成績。レスリングが盛んな青森県内の高校生の中でもずばぬけた実力を誇っており、先の県高校総体では最優秀選手賞に輝いた。高校最後となる今夏のインターハイの目標は、もちろん金メダル。「自分から攻撃を仕掛けて得点を奪う。全力を尽くす」と気合十分だ。
今春の選抜大会では51キロ級で痛恨の3回戦負けを喫した。序盤に仕掛けた攻撃を相手にうまく返され、逆に反撃を食らって点を取られたことが敗因。「点を取られた場面が頭をよぎり、攻めるのが怖くなった。中途半端なタックルしかできなかった」。屈辱の敗戦だった。
冬場は新型コロナウイルスの影響で、部活動が約3カ月間にわたって制限された。十分な練習時間が確保できなかったのも、不調につながった。「体力も落ちていた。思うように戦い切れなかった」 最終学年になり、春季大会から55キロ級に階級を上げた。最低階級が57キロ級になる大学進学後を見据えての決断だ。
「食トレや、バーベルを使った筋力強化で体重アップを図ってきた」 階級変更後の初の全国大会へ、現在は得意技の片脚タックルを生かすために組み手を磨く。2007年アジア選手権銀メダリストの大館信也監督と日々、スパーリングで汗を流す。「(監督は)組み手で相手に圧力をかけ、体勢を崩すのがうまい。組み手から有利な状況に持ち込み、タックルにつなげていければ」とレベルアップを誓う。
「1位しか狙っていない。培ってきた攻撃的なレスリングをやり切る」。本番では周囲の期待に応える覚悟だ。
【略歴】小川 大輝おがわ・だいき 2004年1月生まれ。十和田市出身。市立十和田東中-工大一高3年。強い体幹を生かした片足タックルが得意。今夏のインターハイは団体と個人55キロ級に出場予定。身長161センチ。