Freeチーノ(八戸)9月閉館 運営会社「再開発前進」 テナントの移転進む
分譲マンション建設など再開発構想が浮上している八戸市十三日町の商業ビル「チーノはちのへ」が9月中に閉館することが18日、運営会社八戸スカイビルへの取材で分かった。同社は再開発実現へのステップと位置付けるが、一帯では4月に老舗百貨店の三春屋が閉店しており、中心街の地盤沈下がさらに加速することへの懸念も根強い。原隆男社長は「(マンション建設などで)居住空間が増え、中心街が生まれ変わるきっかけになれば」と意義を強調し、新たなまちづくりへの理解を求めた。
再開発を計画するのは、全国でマンション建設などを手がける不動産開発会社「フージャースコーポレーション」(東京)。同市十三日町と十六日町にまたがるチーノと旧花亀ビル、八戸スカイパーキングの一括取得を目指している。
15階建ての分譲マンション2棟を核に、ホテルや飲食店が入った6階建ての複合商業ビル、立体駐車場の建設を計画。現在も13の個人・法人からなる地権者と交渉を進めている。
構想は2月に表面化。八戸スカイビルは昨夏、入居するテナントに対し、今秋をめどに閉館する方針を説明していたという。現在までにテナントの移転が進み、残る店舗も対応を検討している。
中心街の現状について、原社長は「三春屋の閉店も含め、商業機能が低迷しており、まちづくりは新たな段階に入っている」との認識を強調。再開発構想の進捗に関しては、「今は前へ進むための準備期間と考えており、市民にはご理解いただきたい」とした。