Free【東日本大震災11年】被災者の声、歩いて収集 いわき-八戸、約800キロ
東日本大震災の津波で被災した東北沿岸部を主に徒歩で縦断し、復興状況などを調べていた「世界防災フォーラム」の関係者が23日、ゴールの八戸市に到着した。計36日間で約800キロを踏破し、被災地の100人超から生の声を聞いた。東北大教授で同フォーラムの小野裕一代表理事(55)は、震災から11年目を迎えても心の中で苦しむ人たちがいるとし、「見えないところにどう光を当てるのか。次の10年へ向けて考えさせられた」と振り返った。
当初は震災10年の節目となる昨年、実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期。今年2月下旬に福島県いわき市を出発し、第1クールと第2クールに期間を分けて、東北縦断に挑戦した。
23日は、小野代表理事ら約10人が八戸市の沿岸部を歩き、地域の人たちから震災当時の避難の様子などを聞き取った。ゴールの市みなと体験学習館「みなっ知」では、周辺の町内会関係者の拍手に迎えられた。
同フォーラムは今回の成果について、来年3月に仙台市で開催予定の国際会議で報告する。交流サイト(SNS)で情報発信しており、書籍化も検討する。