Free「ああ、重い」北奥羽ドカ雪 交通に乱れ、停電も
急速に発達した低気圧の影響で、北奥羽地方は18日深夜から19日午前にかけて大雪に見舞われた。湿った重い雪だったこともあり、倒木や電柱の折損が相次ぎ、青森県内は延べ3千戸が停電。一時は八戸自動車道、三陸沿岸道路が通行止めとなるなど、交通網も大きく乱れた。住民は早朝からうんざりした様子で片付けに追われた。
青森地方気象台によると、19日午後8時現在までの最深積雪は十和田25センチ、三戸23センチ、八戸8センチなど。
大雪の影響で、八戸道は八戸北インターチェンジ(IC)―安代ジャンクション(JCT)、百石道路の八戸JCT―下田百石IC、三陸道では山田南IC―洋野種市IC間などで朝から通行止めとなった。通行止めは同5時半までに全面解除された。
交通機関は同4時まで計画運休としていたJR八戸線が運転再開後、久慈市内での倒木の影響で上下4本が区間運休。青い森鉄道も上下計4本が運休となった。
各地で倒木や電線が雪の重みで垂れ下がるなどの被害が多発した。東北電力ネットワークによると、八戸市や南部町、三戸町、階上町、洋野町などで停電が発生した。大半は夕方までに解消したが、同9時を過ぎても一部で停電が続いている地域もあった。
雪が降り続く中で自宅前の雪片付けに追われていた八戸市下長2丁目の男性(68)は「すごく重い。これが今季最後の雪になればいいが…。前日の夜は地震もあったので不安だ」と顔をこわばらせた。
倒木の影響で停電に見舞われた南部町杉沢の80代男性は「彼岸あたりの雪はいつものことだが、ここまで積もるとは…。電気が使えないので、まきストーブを使うしかないな」とため息をついた。
同市大久保大山の市道では、倒木などで150メートルの区間が通行止めとなった。近くに住む無職小比類巻栄子さん(71)は「ばきばきと木が折れる音がして見てみたら、木や電柱が倒れていた」と心配そうに復旧作業を見守っていた。
階上町は約340人が予定していた同日の新型コロナウイルスのワクチン集団接種を21日に延期した。町では「対象者には防災無線と電話連絡で周知した。これだけ足元が悪いと、会場に来るのも大変だから」と理由を挙げた。ワクチンの廃棄はないという。