Free久慈城跡の県史跡指定を答申 4月ごろ正式決定見通し

本社小型無人機で撮影した久慈城跡。中央の林部分に主郭がある=2019年3月、久慈市
本社小型無人機で撮影した久慈城跡。中央の林部分に主郭がある=2019年3月、久慈市

岩手県文化財保護審議会(熊谷常正会長)は4日、久慈市大川目町の久慈城跡を県史跡として指定するよう、県教委に答申した。「中世の山城」の特徴を色濃く残す珍しい例であることや、地元住民が積極的に保護活動に努めていることなどが評価された。県報告示を経て、4月ごろに正式決定となる見通し。

 久慈城跡は、久慈川支流の切金川と堀川に囲まれた丘陵にある。発掘調査の結果や文献資料から、中世の三戸南部氏の一族である久慈氏の居館と考えられる。

 規模は東西360メートル、南北330メートルの主郭を中心とした約4万平方メートル。南北方向に一段低い平場を持つ連郭式の山城で、尾根を切り込んで構築した堀切と、区画された郭が残存する。市教委が1991年に実施した発掘調査では、白磁などの陶磁器や北宋銭が出土しており、15~16世紀を中心とした城館跡とみられる。

 記録から1592年には廃城となっているが、城内での争いがなく、近世以降に代官所が市中心部の八日町に移転したことなどもあって、城の形態が改変されずに中世の遺構が残存したと推測されるという。

 歴史的な背景が明らかであることや、郭が並列する連郭式の山城という中世城館の特徴をそのまま示していること、さらには大川目地区の住民や中学生らが積極的に環境整備に従事し、文化財保護の模範となるような取り組みをしていることから、同審議会は「県指定史跡にふさわしい」と判断した。

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