Free3年生に思い出を 八戸・下長中でサプライズ花火 PTA有志ら企画

行事が中止になった3年生のため、下長中付近で打ち上げられた花火
行事が中止になった3年生のため、下長中付近で打ち上げられた花火

数々の行事が中止になった3年生へ、せめてものプレゼントを―。八戸市立下長中(三浦一純校長)で21日、日帰りの遠足から帰ってきた3年生154人を、打ち上げ花火で出迎えるサプライズ演出が行われた。生徒たちは夜空に咲いた色とりどりの大輪に目を輝かせ、思い出を胸に刻んだ。

 3年生はこれまで、新型コロナウイルス感染症の影響で、校内行事や運動部の夏季大会が中止に見舞われた。また、吹奏楽部が初めて出場を決めた東北大会の辞退を余儀なくされてきたことを踏まえ、同校のPTA有志や地元企業が協力して企画。生徒に喜んでもらうべく、極秘で関係機関との調整を進めてきた。

 迎えた21日夕、遠足帰りの生徒たちが校庭で帰校式を行っている最中、歌手やリポーターなど多方面で活躍する中島美華さんが登場し、生徒たちへ贈る歌を披露。その後、生徒たちが校舎裏へ移動すると花火の打ち上げが始まった。生徒たちは友達同士で盛り上がり、75発の花火を楽しんだ。

 打ち上げが終わると、生徒を代表して学年委員長の袖城凜大(りお)さん(15)が「いい思い出になりました。いつも支えていただいてありがとうございます」と感謝の言葉。吹奏楽部の清水埜亜(のあ)さん(15)は「東北大会に出られず悲しかったけれど、吹き飛ばすような楽しさをもらえる最高の一日だった」と笑顔を浮かべた。

 企画に携わったPTA会長の川上敦史さんは「子どもたちの思い出に残る形ができてよかった。地域社会とのつながりを意識できるいい機会になり、ご協力いただいた方々に感謝したい」と話した。

 
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