Free【青森県内大雨】風間浦、孤立続く 住民救助や復旧作業本格化

小赤川橋が崩落し、孤立した地区の住民を救助する消防隊員ら=11日午前7時15分ごろ、むつ市大畑町
小赤川橋が崩落し、孤立した地区の住民を救助する消防隊員ら=11日午前7時15分ごろ、むつ市大畑町

台風9号から変わった温帯低気圧による大雨から一夜明けた11日、青森県内では孤立した住民の救助や復旧作業が本格化した。多くの避難住民が自宅に戻ったが、生活道路が分断された風間浦村の下風呂地区などで依然、孤立が続いている。県などは孤立解消に向け、崩落したむつ市大畑町の国道279号小赤川橋の仮橋を設置する方針。七戸町では新たに断水が発生し、同町や東北町で水田の大規模な浸水被害が見つかるなど、復旧には時間がかかりそうだ。

 被害状況も徐々に明らかになってきた。県などによると、家屋の被害は、床上浸水が同市大畑町で約50戸、同村で1戸。七戸町では2216戸が断水したほか、倉岡川目地区などで住宅6戸が床下浸水し、避難所から自宅に戻った住民が片付け作業に追われた。七戸、東北両町では高瀬川の氾濫により、冠水した農地が確認された。

 住民が孤立している地域も残る。道路が寸断された同村下風呂地区で128人、同市大畑町で32人が孤立。下風呂地区へ向かう道路は、易国間地区側から土砂の撤去作業を進めているが、同日時点で終了していない。

 市は小赤川橋の仮橋設置について、2週間程度で完了するとの見通しだが、周辺の流木の撤去にかかる日数は見通せないとして、国に緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)の派遣を要請。流木撤去などについて支援を求めるほか、県とも協力して早期設置を目指すとしている。

 電力は復旧が進んでいる。東北電力ネットワークによると、延べ3791戸が一時停電したが、同日午後8時半現在、むつ市と風間浦村の一部の90戸まで回復。12日中には立ち入り困難な地域以外は復旧する見込みという。

 大雨は海にも影響した。青森海上保安部によると、大畑川河口付近に係留していた漁船3隻が転覆。流木の影響で、大畑漁港や易国間漁港などでは船舶の出入りができなくなっているという。

 今回の大雨被害について記者会見した宮下宗一郎市長は「実際に被災現場を視察し、一両日中での復旧は難しいと感じた。避難所の物資など、風間浦村と連携して復旧に努めたい」と強調。

 冨岡宏村長は「一晩明けて全容を把握していく中で、被害の大きさをひしひしと感じている。人的被害がなかったのは幸いだが、家屋などを被災された方にはお見舞い申し上げるとともに、村として復旧に全力を尽くす」と語った。

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