Free労働相談5年ぶり1万件超え 事業主のコロナ関連増/青森労働局
青森労働局は8日、職場でのトラブル解決を図るための個別労働紛争解決制度の2020年度施行状況をまとめた。総合労働相談件数は1万733件(前年度比979件増)で、5年ぶりに1万件を超えた。新型コロナウイルスの影響で、休業手当や雇用調整助成金など事業主からの相談が増えたことが要因。民事上の個別労働紛争の相談では、「いじめ・嫌がらせ」が936件(196件減)と8年連続トップだった。
個別労働紛争解決制度は、労働者個人と事業主間の職場環境を巡るトラブルの未然防止や早期解決を図るもの。解決方法には、▽総合労働相談▽労働局長による助言・指導▽紛争調整委員会による専門家のあっせん―の3種類ある。
総合労働相談のうち、民事上の個別労働紛争の相談は2870件(642件減)。相談内容で最多だった「いじめ・嫌がらせ」は大半がパワーハラスメント(パワハラ)の疑いだった。
そのほか、自己都合退職655件(178件減)、解雇570件(55件減)、労働条件の引き下げ331件(2件増)だった。同労働局は「新型コロナで再就職が難しく、自己都合退職が大きく減った」との見方を示す。
労働局長による助言・指導の申し出は71件(10件減)、紛争調整委員会によるあっせんの申請は33件(11件減)だった。
後を絶たないパワハラを巡っては、20年6月に「パワハラ防止法」が施行。大企業に対策が義務付けられており、中小企業では22年4月から適用される。同労働局は「制度の周知を図り、労働環境の改善を進めていく」と述べた。