Free川崎近海汽船の「シルバーブリーズ」が16日就航 八戸―苫小牧間
八戸―苫小牧(北海道)間で「シルバーフェリー」を運航する川崎近海汽船(東京)は16日、同航路に新造船「シルバーブリーズ」(8900トン)を投入する。新造船は、従来のフェリーに比べて車両積載台数を増強したほか、ペット同伴個室を設置するなど船内設備をグレードアップ。旅客や貨物輸送の利用促進が期待され、両市の結び付きを強める「八苫連携」拡大の弾みにもなりそうだ。
シルバーブリーズは、1999年に就航した「べにりあ」の後継船。八戸―苫小牧間に新造船が投入されるのは2018年4月の「シルバーティアラ」以来、3年ぶりとなる。14日午前9時すぎに八戸港に初入港した。
全長約150メートル、航海速力は20・0ノットで、旅客定員は400人。物流量の増大や、貨物輸送を陸送から海運などへ移行する「モーダルシフト」の動きを見据え、車両積載能力はトラック70台、乗用車30台と、いずれも「べにりあ」よりも増強した。
客室は利用客のニーズに応えて個室スペースを拡充。ペットと一緒に過ごせる1等室を用意し、ドッグランも完備した。トラックドライバー専用の個室のほか、海を眺められる展望風呂なども備え、食品類を運ぶ冷凍車用の専用電源も増やして物流の増大に対応する。
運航ダイヤは、午後5時半に八戸を出発し、翌日の午前1時半に苫小牧に到着する便と、苫小牧を午前5時に出発し、同日午後1時半に八戸に着く1日1往復体制となる。
14日は、新型コロナウイルス対策のため、歓迎セレモニーは中止となり、報道機関向けの内覧会が行われた。
新造船について同社八戸支社の尾亦祐太課長代理は「北海道と本州を結ぶインフラとして役割を果たしていく。新型コロナ対策も講じており、安心して船旅を楽しんでほしい」と呼び掛けている。