Freeプルサーマル加速へ自治体支援検討/経産相
使用済み核燃料から取り出すプルトニウムを原発で再利用するプルサーマル発電を巡り、梶山弘志経済産業相は25日、「政府としてもプルサーマルを新たに推進する自治体向けの支援を検討する」との方針を示した。現状では余剰プルトニウムを減らす唯一の手段で、導入の裾野を広げる狙いがありそうだ。
経産省で開かれた、大手電力会社社長らと構成する使用済燃料対策推進協議会で述べた。梶山氏は「地元の理解確保に向けて事業者と一体となって取り組む」と強調。各社首脳に対しては、プルサーマル拡大への取り組み加速や再処理工場(六ケ所村)の完成に向けた支援など5項目を求めた。
電気事業連合会は昨年12月、「2030年度までに少なくとも12基でプルサーマル実施を目指す」との新たな計画を公表したが、原子力規制委員会の審査長期化も重なって再稼動自体が低調に推移。再処理工場が完成し、操業すれば保有するプルトニウムが増えるため、国際的な懸念払拭のために政府としてもプルサーマルを急ぎたい構えだ。
同日の協議会にリモート形式で出席した電事連の池辺和弘会長(九州電力社長)は、梶山氏の発言を受けて「事業者としてもプルサーマル推進に一層励んでいく」と述べた。会合ではこのほか、原燃の増田尚宏社長が審査の現状などを説明した。