Free70歳後藤さん(十和田) 仏語検定1級一発合格 衰えぬ学習意欲

仏語検定1級(左)と英検準1級の合格証明書を持つ後藤幸雄さん
仏語検定1級(左)と英検準1級の合格証明書を持つ後藤幸雄さん

十和田市相坂高清水の後藤幸雄さん(70)が、昨秋行われた実用フランス語技能検定で、最終合格率14・6%の難関を突破し、1級に一発合格した。後藤さんは古希を迎えても意欲は衰えず、「英検」1級の合格も目指している。現在、市内でフランス語を教えるワークショップも行っており、「外国語に興味がある人に教えることで、その人の人生に豊かさを加える助けになりたい」と語る。

 後藤さんは愛知県一宮市出身。後藤さんいわく「フランス思想にかぶれていた世代」で、20代の頃、アルバイトでためた資金で、憧れのパリに語学留学。縁あってアルジェリアで、フランス語と日本語の通訳として10年間従事した。その後はロンドン留学も経験した。

 帰国後は都内の医療機器メーカー勤務を経て、コンサルタント会社を開業。フランス語と英語を生かして海外企業ともやりとりした。この間は、妻和子さん(70)が住む十和田市と都内を行き来する生活だった。

 コロナ禍の中で昨春、会社を畳み、同市に完全に拠点を移した。「年金生活もいいけど、好きな語学を生かし、学習意欲がある人たちに外国語を教えたい」。語学力を証明するものとして、検定受検を思い立った。

 挑戦したフランス語検定1級は見事合格した。全国の合格者は54人。ただ、英検は準1級を難なくクリアしたものの、1級は2度失敗した。今月末にある3度目のリベンジに向け、猛勉強中だ。

 昨夏から奥入瀬渓流の外国語ガイドも務めており、今年は英検1級に加え、国家試験の全国通訳案内士の資格取得にもチャレンジする考え。同案内士は外国人旅行者を相手に、幅広い知識や教養を持って日本を紹介するプロのガイドだ。

 後藤さんは月1、2回、市内の書店で行われるワークショップでフランス語を教えている。ニーズがあれば出前講座も開きたいといい、「学生には自分の経験を生かした上達方法、海外旅行に興味がある大人には日常会話を教えられる。外国語に興味がある人のお手伝いがしたい」。70年で培った語学力を生かし夢が広がる。

 
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