Freeマリンレジャーシーズン到来 小型船舶の事故防止を 海保が注意喚起
暖かくなり、釣りなどのマリンレジャー活動が活発化する春は、漁船やミニボートといった小型船舶の海難事故が増える傾向にある。新型コロナウイルス感染予防で、昨年から密を避けて楽しめるアウトドア人気が高まり、さらなる事故発生も懸念される。海上保安庁は5月5日までの大型連休期間を「安全推進活動期間」とし、事故防止の注意喚起に力を入れている。
第2管区海上保安本部(塩釜)によると、青森県内における小型船舶事故の月別発生状況(2016~20年累計)は月平均7・9隻。4、5月はそれぞれ11隻で、9月の13隻に次いで2番目に多かった。
事故の原因は不十分な見張り、気象・海象情報の確認不足、操作ミスなどの不注意といった人為的要因が多くを占めた。
また、冬に使っていなかった船を春に久しぶりに動かすことで、エンジンや機器に不具合が生じ、海上で運航不能になって救助されるケースも目立つという。
近年は新型コロナ感染拡大に伴うアウトドアブームで、小型船舶操縦士免許が不要なミニボートの利用者が全国的に増加しており、海難事故の増加が危惧されている。
海保の安全推進活動は、出発前の船の点検や、定期的な整備実施の広報などに重点を置き、漁港での見回り、釣具店やボートショップを通じて呼び掛けている。
このほか、東北地方では岸壁での釣り中の海中転落事故も増えている。青森県内でも釣り客は増加しているとみられ、注意を促している。
2管本部交通部安全対策課の滝山豊課長は「海難事故は命の危険に直結する。身の安全を確保した上で、安全第一で楽しんでほしい」と強調する。