Freeクマ注意報2年ぶり発令 青森県内、出没増加の恐れ
青森県は5日、県全域を対象にツキノワグマ出没注意報を発表した。クマの餌であるブナの昨秋の結実状況が「並作」となった影響で、冬眠明けのクマの出没が増える可能性が高いため。県は「目撃したら静かに安全な場所へ移動し、警察や最寄りの市町村などへ連絡してほしい」と注意喚起している。
注意報の発表は2年ぶり。2019年の前回は、人的被害が相次いだことを受けて9月下旬に注意報と警報を出した。今回は山菜採りや行楽シーズンで入山機会が増える前に発表した。期間は11月30日まで。
県によると、ブナが並作か豊作の年はクマの栄養状態が良好となり、冬眠中の出産が増える。冬眠明けに子グマの餌を求める母グマの行動範囲が広がり、春から冬眠前にかけて出没頻度が増すという。
ブナが並作だった翌年のクマの出没件数を見ると、06年301件(前年比255件増)、14年277件(54件増)、16年502件(263件増)で、いずれも前年を大幅に超えている。
県はクマ被害を防ぐ対策として、▽出没が確認されている場所に近づかない▽山に入るときは音を鳴らして歩く▽生ゴミや野菜・果実の残りを野外に放置しない―などを挙げる。
県自然保護課の松村浩二課長は「春は山へ入る機会が増える時期なので、クマに細心の注意を払ってほしい」と述べた。