Free八戸税関20年貿易概況 貿易額、前年比2割減の2375億円/輸出額1千億円割れ
八戸税関支署は26日、八戸港など管内の2020年貿易概況(速報値)を発表した。輸出入を合わせた貿易額は2375億2726万円で、前年確定値と比べて19・1%減。新型コロナウイルスによる国内外の景気減退の影響を受けて輸出入額とも減少し、中でも輸出額は05年以来、15年ぶりに1千億円を割り込んだ。
20年に実績があったのは八戸、久慈、むつ小川原の3港で、輸出額が16・7%減の996億4137万円。輸入額は20・7%減の1378億8588万円だった。
輸出額を品目別に見ると、タンカーが34・2%と最も多く、半導体製造装置などの一般機械が24・6%、鉄鋼が20・8%、紙および板紙が5・3%を占めた。国・地域別では、中国が34・5%でトップとなり、マーシャル25・1%、台湾9・0%と続いた。世界的に新型コロナが流行し始めた昨年3~6月にかけ、鉄鋼や一般機械などが伸び悩み輸出額が全体的に下振れした。
一方、輸入額の品目別は、飼料用などに活用するトウモロコシが16・1%で最多。石油ガス類12・2%、植物性油かす10・4%、ウッドチップ8・7%の順となった。国・地域別では米国が19・2%と最も多く、オーストラリア15・7%、ブラジル14・2%、中国11・5%が上位に入った。
実入りコンテナ(20フィート換算)の通関本数は、輸出が前年比1309本減の1万722本、輸入が659本減の1万4494本と、いずれも前年実績を割り込んだ。
同支署は同日、昨年12月の貿易概況も発表。実績があったのは八戸港のみで、輸出入を合わせた貿易額は前年同期比5・6%減の200億2800万円だった。
同支署の柳澤貴幸統括審査官は「貿易額は昨年比2割減だが、昨年4~6月時点の落ち込みを考えれば持ち直した方ではないか」と指摘。今後については「八戸港の主力品目である金属関係などがいかに回復するかどうか」と述べ、動向を注視する考えを示した。