FreeN響演奏家がオンライン指導 小中学生の技術向上を支援/むつ
国内最高峰のオーケストラ「NHK交響楽団(N響)」の演奏家によるオンラインゼミナールが16、17の両日、むつ市の下北文化会館で開かれ、同市の小中学生が合奏などについて一流の演奏家から遠隔指導を受け、技術向上に努めた。
ゼミは、大都市圏の高等教育機関や芸術団体と連携し、子どもたちの夢を応援することを目的にした「下北プロジェクト」の一環。下北地域の産官学金の団体でつくる「まさかり高校後援会」が、本年度新たに「音楽によるまちづくり事業」として企画した。
学校の吹奏楽部やブラスバンド部が廃止となった同市の小学生が集う「下北Jr.ウインドオーケストラ(愛称シモジュニ)」と交流のある、N響所
属のチェロ奏者三戸正秀さん(弘前市出身)の協力と、同会館にライブ配信の環境が整備されたことで実現した。当初は昨年6月、N響の演奏家を招いて実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。
ゼミは同会館と公益財団法人「音楽文化創造」の東京のスタジオを結んで行われた。17日午前はシモジュニの子どもたち50人が、今夏のコンクールに向けて練習中の下北地区吹奏楽連盟創立50周年記念委嘱作品「祝典行進曲『風・水・地・人』」の合奏について指導を受けた。
N響の演奏家はパートごとに演奏を聴きながら指導。「合奏は一人一人が楽器をうまくなることが大事」「譜面を読めて半音階ができるようになると、どんどん上達する」などとアドバイスした。
クラリネットを担当する立場絵麻さん(11)は「直接指導を受けて緊張したけど貴重な経験になった。音階など教えてもらったことを頑張って練習したい」と話した。
この日は午後から市立田名部中吹奏楽部を対象にした合奏指導が行われたほか、16日には小中学生対象のフルートゼミも行われた。
ゼミは3月までに計6回予定。氏家剛教育長は「子どもたちがこれまで以上に音楽に興味を抱いてくれることを期待している」と語った。