Free【新型コロナ】持て余す時間、戸惑い 八戸・一斉休校1週間
新型コロナウイルス感染症の拡大防止を巡り、八戸市内などの小中学校や青森県立高校が一斉休校に入ってから10日で1週間が経過した。生活リズムを崩さないように学校の時間割に合わせて規則正しい生活を送る家庭がある一方、市中心街などでは家族や友人と一緒に街中を出歩く中高生の姿も。「早く学校に行きたい」「休校の効果はあるのか」―。安倍晋三首相の“ひと声”で突然始まった休校措置だが、1週間を経ても子どもや保護者の間には戸惑いが交錯している。
同市教委は人の集まる場所への外出を避け、基本的に自宅で過ごすよう学校を通じて児童生徒や保護者に通知。一方、放課後児童クラブ(学童保育)は夏休みや冬休みに準じて開館しているほか、学校によっては生活リズムを崩さないよう各家庭に時間割を配布し、学校と同様の時間帯で生活を送るよう求めている。
小学1年の男児(7)がいる市内の家庭では、リビングの壁に時間割を貼って、1日のスケジュールを決めて過ごすよう家庭内でルールを策定。午前9時ごろから、学校の宿題や市販の問題集に励み、休憩や昼食の時間もなるべく学校と同じスケジュールで過ごしている。
母親(34)によると、「国語」や「算数」の時間は宿題や市販のドリルに取り組み、「体育」は縄跳びや布団の上での運動、「音楽」は読書、「生活」は家事の手伝い―といった具合。テレビゲームなどで遊び始めるのは放課後に当たる午後2時半ごろからと決めている。
ただ、集中力が続かずに子どもがいらだつこともあり、日によって学習時間を早めに切り上げ、買い物や公園へ一緒に出掛けるなど、ストレスをため込まないよう気を配っているという。「子どもが遊べる場所も閉まっていて、体力を持て余している感じ」と母親。学校と同じように過ごすことに限界を感じている。
一方、市中心街では9日、私服姿の小中高校生の姿が見られた。母親と一緒に歩いていた小学6年の男児(12)は「外出せずに家の中で宿題やゲームをしていたが、さすがに飽きた。早く学校に行きたい」と時間を持て余した様子。母親(37)は「学童保育に多くの子どもたちが集まっているので、一斉休校の意味がない」と政府の対応に疑問を投げかけた。
アミューズメント施設で遊んでいた中学2年の男子生徒(14)は部活動が自粛になったといい、「(市体育館の)トレーニングセンターも使えないので、どこに行ったらいいのか分からない。じっと家にいるのも退屈だ」とこぼした。