Free【chou chou12月号 Pickup】ボードゲーム、人気じわり
「ボードゲームスペースポンポン」では一度は遊んだことがあるようなおなじみのゲームから、初めて見るものまで、さまざまな種類を楽しむことができます。代表を務める秋山賢治さんに、開業した経緯やボードゲームの魅力を聞きました。
【思いっきり感情を表現できるお店をつくりたい】
秋山さんは高校卒業後、八戸市内の製造業の会社に就職しました。待遇面には満足していたものの、「このまま自分の人生をこの仕事に費やしていいのか」と疑問を感じ、35歳で退職。この時点では次にどんな仕事をするか決めていなかったそうですが、無類の猫好きが高じて、約1年後に市内に「ねこカフェ 猫八」をオープンさせました。
猫カフェを経営する中で、別の事業も始めてみたいと思っていた矢先に知り合いから、都会を中心にボードゲームの店舗が増えていると教えてもらったそうです。元々、面白いことや楽しいことが大好きで、「なかなか感情を表現することが少なくなってきた時代。思いっきり笑ったり、大声を出したりできる場所をつくりたい」と思い開業を決意。2018年6月にボードゲームスペースポンポンをオープンさせました。
新型コロナウイルス禍の影響を受けたものの、評判は口コミなどで徐々に広がっていきました。今では約700種類のボードゲームがあり、友人同士や親子連れなど子どもから大人までさまざまな人が来店してくれるそうです。
ゲームの最中はプレーヤー同士が会話をするので、店で出会ったのがきっかけでお客さん同士が結婚したり、仕事のつながりができたりすることもあるそうです。
秋山さんは「笑顔がある場所には幸せな人が集まる。これからもお客さんが元気になる店づくりをしていきたい」と話しています。
【楽しいだけじゃないんです!】
対コンピューターではなく、人が集まって対面で遊ぶボードゲーム。“楽しいだけではない”魅力がいくつもあり、人気の一因になっているようです。
近年、ボードゲームを教育現場や子育てに生かす動きが広がっています。遊びの中で論理的な説明や仲間との協力が必要なため、協調性や責任感が身に付き、自分で考える力なども養えるのが人気の理由です。
秋山さん自身も、ルールを覚えて遊び方をお客さんに分かりやすく伝えるのに苦労したそうです。「だいぶ慣れましたが、始めた当初は自分の伝え方が下手だなと思いながらも、どうにか教えていました。ルールを覚えるよりも伝える方が難しいです」と語ります。
実際、プレーヤーは人の話を聞いて自分の言葉で表現し、作戦を考えるなど、遊んでいる最中にあらゆることを同時に行います。
ある親子連れが来店した際、始めは物静かだった小学校低学年の子どもが何度か通ううちに積極性が身に付き、準備や片付けもしっかりできるようになったそうです。秋山さんは今後、お店だけでなく教育現場にも広めていきたいと考えており、「塾や学校などで出前ボードゲームを実施して、子どもたちに魅力を伝えたい」と展望を描いています。
【ボードゲームスペースポンポン information】
ボードゲームやポーカーを楽しめます。ゲームのルールの説明はスタッフがするので、初心者も歓迎。タロットカードやオラクルカードも多数販売。
住 所 八戸市内丸1丁目5-22野々口ビル1階
営業時間 平 日16:00~23:00 土日祝 13:00~21:00
定 休 日 月、木曜
料 金 30分 250円 上限1500円 高校生以下 半額
※本紙生活情報誌シュシュ12月号の特集記事をウェブ用に再編集しました。