Free福島第1原発デブリ初回収 2号機、試験的に3グラム以下
東京電力は7日、福島第1原発2号機で3グラム以下の小石状の溶融核燃料(デブリ)を取り出したと発表した。回収は2011年3月の事故後初めて。今回は試験的な位置付けで今後、茨城県の研究施設に搬出し分析。本格的な取り出し工法や保管方法の検討に活用する。デブリは1~3号機に推計880トンあり、廃炉の最難関の工程となる。
政府と東電は51年までに全量を取り出し廃炉を完了する目標を掲げている。取り出しは21年の開始を計画していたが、工法変更などで3回延期。今回は8月22日に準備作業を始めたが、ミスやトラブルで2度中断した。
東電によるとこの日、原子炉格納容器に隣接する収納箱側面の扉を開けて、デブリを収めたアルミ製の容器を回収した。同じ建屋内に設置したグローブボックスと呼ばれる密閉装置に移し、重さや大きさを計測する。
東電は最長22メートルに伸びる釣りざお式の採取装置を使用。10月28日に格納容器の貫通部から装置を差し込み、30日に先端からつり下げた爪形器具で容器底部の小石状のデブリをつかんだ。そのまま装置を引き抜き、5日に測定した放射線量は毎時0・2ミリシーベルトで、想定した上限の24ミリシーベルトを下回ることを確認し、容器に入れた。