Free八戸港にサンマ50トン 地元船の水揚げ10年ぶり

八戸港に水揚げされたサンマ=25日、八戸市第1魚市場
八戸港に水揚げされたサンマ=25日、八戸市第1魚市場

八戸港に25日、北太平洋の公海で操業した同港所属の大型サンマ棒受け網船「第2源栄丸」(199トン)がサンマ50トンを水揚げした。地元船が同港にサンマを揚げるのは2014年以来、10年ぶり。上場した八戸市第1魚市場には多くの仲買人や水産関係者らが集まり、八戸に届いた「秋の味覚」に高い関心を寄せた。魚体のサイズや脂乗りはまずまずで、比較的高値で取引された。

 第2源栄丸は漁業会社「ヤマツ谷地商店」(同市)の所有。市内にはサンマを取り扱う加工業者がほぼないため、船籍にかかわらず八戸港へ水揚げされること自体が珍しく、18年11月以来、約6年ぶりとなった。

 関係者によると、サンマ漁船は現在、花咲港(北海道)を拠点に北太平洋の漁場で約30隻が操業中。25日は同港が水揚げの受け入れを1日1千トンに制限したため、女川(宮城県)や大船渡(岩手県)、八戸などの各港へ水揚げが分散した。

 第2源栄丸は23日に操業し、25日午前10時ごろに八戸港へ入港してサンマを水揚げした。サイズは1匹100~110グラムが主体。入札の結果、10キロ当たり3400~3200円の値が付き、花咲港での平均相場2600円を上回った。

 サンマは地元のスーパーや飲食店などにも回る見込み。一部を落札したオフィス弁慶(同市)の担当者は「サイズがそろっていて、いい形だった。居酒屋のメニューで八戸のサンマとして提供したい」と話した。

 サンマ漁は例年、11月末で一段落する。ヤマツ谷地商店の谷地充晴社長は「地元八戸に新鮮なサンマを水揚げできてうれしい。今年は出だしから漁に恵まれている。今後も漁が続いて、また八戸に持って来ることができれば」と語った。

 
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