Free中三(弘前)破産手続き開始 負債額9億円、過去には二戸に店舗

帝国データバンク青森支店などによると、弘前市で百貨店を運営する「中三」は29日、青森地裁弘前支部から破産手続きの開始決定を受けた。負債額は現時点で約9億円。同日付で事業を停止し、弘前店を閉店した。跡地については再開発事業者を探す。

 同社は1896年創業。一時は弘前のほか、青森、二戸、盛岡、秋田4市などに店舗を展開し、ピークとなる1998年8月期には売上高約415億円を計上した。だが、郊外型ショッピングセンターとの競争激化により、規模縮小を余儀なくされ、2010年8月期の売り上げは185億円にまで落ち込んだ。

 11年3月に盛岡店地下でガス爆発事故が発生し、休業に追い込まれるなど自力での再建が困難となり、同月に民事再生法の適用を申請。投資ファンドの下で本格再建を目指したが、インターネット販売との競合やコロナ禍で収益改善に道筋を付けられず、23年8月期の売上高は約17億円にまで減少し、営業損益は約2億2200万円の赤字に陥った。

 唯一経営していた弘前店では、地下フードコートのラーメン店「中みそ」が多くの市民らに愛されていた。

 
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